MASANOBU IN PARIS,1990
写真・文:大内正伸
|プロローグ|旅立ち|建築、寺院|ルーブル美術館|市場|街並、彫刻|ロダン、モロー|
|カフェ、人|ポンピドゥセンター|大道芸人|クリシー通り|帰国|
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大道芸人
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メトロの改札をくぐるとちょうど車両が入ってきて、それに飛び乗った。
飛び乗ったらその目の前で、アングラ・ミュージシャンがギターと笛で演奏中だった。
曲は「コンドルは飛んでいく」
ホームではなく移動中の車内で、である。
曲が終わると「笛」のほうがひっくり返した帽子を手に車内を回る。
皆が気前よく小銭を入れる。僕も少し入れた。
コンコード駅で乗り換えると、今度は後から飛び乗ってきたやつらがギターをかかえていて
僕の目の前で演奏を始めた。曲はスパニッシュ系の知らない歌。
相棒は缶ビールの空き缶を2個繋いだ自家製マラカスでリズムをとる。
メジャー7thのよく効いた悲しげな曲だったが、歌はあんまり上手くなかった。
ルーブルの駅は2つ先だったので、演奏が終わらぬうちに僕が先に下りた。
パリは大道芸人の街でもある。ポンピドゥセンターの噴水広場でも
様々なパフォーマンスが繰り広げられているし、雰囲気のいいカフェの前でアコーディオン弾きが曲を奏で、
お客さんの親子が踊ったりしている光景が普通にみられる。
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