TSUGIHAGI
(その1)

川本百合子 作




 



僕の定番スタイルは昔からジーンズにダンガリーシャツ。またはチノパンやコーデュロイ。寒いときはその上にダウンベストとかセーターとか着るわけだ。

この定番、着続けてはボロになり、何代も交代されている。しかし、着古して穴が空いても、愛着のある衣類をゴミ箱に棄てるのはしのびないものだ。そこでアトリエに来て以来、そのボロを棄てずに相方YKに繕ってもらい、できるだけ長く着続けられるようにした。

それがまた、着ているうちに、さらに破れたり穴が開いたりするので、また縫ってもらったりしているうちに、いろいろ遊びも入り込んできて「つぎはぎアート」の様相を呈してきた。

洗いざらしの綿物は本当に気持ちがいいものだ。ジーンズをはき続けて穴が空き始めた頃が、ダンガリーシャツの襟がほつれた頃が、いちばん身体に馴染んで気持ちがいい。しかしそこからゴミ箱に行くまでの時間はけっこう短く、いつも残念に思っていたのだ。

オーガニックコットンなる商品もあるが、着古せば、みなオーガニックだ。

(by tamarin)